低侵襲・新治療開発による個別化癌医療確立

TOP

研究概要

COEメンバー

研究成果一覧

教育プログラム

COEX MEETING

幹細胞教育実習 space

SCAD

COEメンバー

事業推進担当者

COE特別研究教員

PD

若手研究者

研究員

RA

事業推進担当者一覧
鈴木 亨

鈴木 亨

慶應義塾大学医学研究科 整形外科学

指導教員名:戸山芳昭、須田年生

研究内容

骨形成における新たな血管新生因子としてAng iopoietinに注目した。Ang iopoietinは二つのドメインを持つ三量体のタンパク質である。
Angiopoietin-1 (以下Ang1) はTie2レセプターに結合することにより、血管内皮細胞の遊走能の亢進、血管透過性の抑制、細胞外マトリックスを介した血管構造の安定化などの機能に寄与する。骨芽細胞がAng1を発現していることは知られているが、骨形成におけるAng1の機能は不明である。そこで本研究では骨芽細胞特異的にAng1を過剰に発現するトランスジェニックマウスを作成し、骨形成におけるAng1の機能をin vivoで解明することを目的とした。
Type I collagen プロモーター下にAng1及びIRES-EGFPを配列したDNAコンストラクト(トランスジーン)を作成し、骨芽細胞特異的にAng1を過剰発現するトランスジェニックマウスを作成した。トランスジーンをテールから抽出したDNAを用いてPCR法により確認し、各ラインにおけるAng1の発現を、RT-PCR法によりmRNAレベル、ウェスタンブロット法によりタンパク質レベルで確認することにより解析するラインをスクリーニングした。始めに、Ang1の発現が強いと判断したラインのマウス大腿骨を使用しマイクロCTを用いて組織形態計測を行った。トランスジェニックマウスは野生型マウスと比較し、bone mineral density、bone volume/tissue volume、trabecular number、trabecular thiknessが有意に増加し、trabecular separationは有意に減少した。このことからトランスジェニックマウスの骨幹端部は野生型マウスと比較し太い骨梁が数多く密に存在していることが示唆された。また、CT画像から三次元構築画像を作成すると計測値を反映するような画像が得られた。一方、mineral apposition rateは有意に増加、eroded surface/bone surfaceは有意に減少していたことから、骨芽細胞活性が亢進、もしくは破骨細胞活性が抑制されていることが示唆された。さらに、マウス脛骨の組織切片を作成し、ヘマトキシン・エオジン染色により形態を観察したところトランスジェニックマウスは野生型マウスと比較し骨梁が増加している傾向にあった。同様の組織切片を使用し、血管内皮細胞のマーカーであるCD31抗体と骨芽細胞活性のマーカーである Alkaline-phosphatase(ALP)抗体、破骨細胞マーカーであるCatheps inK(CatK)抗体を用いた免疫染色を行い画像定量化し検討した。トランスジェニックマウスは野生型マウスと比較しCD31陽性の血管内皮細胞数とALP活性陽性の部位が有意に増加、CatKに有意な差は見られなかった。骨芽細胞のT ie2受容体の発現は検出されないことから骨芽細胞が発現するAng1が血管内皮細胞を介して骨芽細胞、もしくは破骨細胞に作用し骨量の増加に関与していることが示唆された。血管新生因子は骨欠損の修復や骨折治療といった臨床応用の可能性を示唆している報告があり、実際にb-FGFは臨床で応用されている。Ang-1はそのタンパク質の構造の複雑さから精製が困難であるが、より精製の簡便なCOMP-Ang1といった組み換えタンパク質が創傷治癒を促進するという報告があり、そのような臨床的展開も骨の分野で検討した

Copyright © Keio University. All rights reserved.

English Site KEIO UNIVERSITY