低侵襲・新治療開発による個別化癌医療確立

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望月 早月

望月 早月

慶應義塾大学医学研究科 総合医科学研究センター
(病理学)

指導教員名:岡田保典

研究内容

ADAM (a disintegrin and metalloproteinase)は、ECM (extracellular matrix)の分解、膜蛋白のshedding、細胞接着などに関わる多機能分子である(Cancer Sc i.98:621-628,2007)(図)。我々はこれまでに、リコンビナントproADAM28が活性型MMP-7によって活性化されることを示し、MMPとADAMの相互作用を初めて明らかにした (Biochem.Biophys.Res.Commun.315:79-84,2004)。この論文ではADAM28のIGFBP-3(insulin-like growth factor binding protein-3)分解活性を証明するとともに、 MMPインヒビターであるTIMP (tissue inhibitor of metalloproteinases)遺伝子ファミリーのTIMP-3とTIMP-4がADAM28活性を特異的に阻害することを明らかにしている。本研究成果は、平成16年度の第36回日本結合組織学会学術大会で発表し、日本結合組織学会優秀演題賞を受賞した。また、ADAM28はヒト乳癌組織や細胞株において活性型で高発現し、 IGFBP-3の選択的な切断によりIGF-I/IGFBP-3複合体からIGF-Iを遊離しIGF-Iレセプターのリン酸化とERK1/2のリン酸化を介して乳癌細胞増殖を促進することを実証した(Cancer Res.66:9913-9920,2006)。本研究では、ADAM28の乳癌細胞増殖での機能をADAMの合成阻害剤、ADMM28の中和抗体、ADAM28のsiRNAを用いてin vitroとin vivoで解析している。また、ADAM28特異的抗体を用いた高感度 ELISAシステムを確立し、ADAM28は健常者では検出されず、肺癌患者では癌組織・血液・尿で検出できている。これらのデータは, 癌組織や体液中のADAM28産生量の測定が、肺癌の診断や病勢のモニターに有用である可能性を示唆している(論文投稿準備中)。
また、ADAM28が白血病細胞株(HL-60細胞)で発現するP-selectin glycoprotein ligand (PSGL-1)と結合することにより、血管内皮細胞表面上のP -selectinとの相互作用を促進し、血管内皮細胞への接着・浸潤能が亢進する事実を明らかにしている(J.B iol.Chem.31:25864-25874,2007)。最近、ADAM28の浸潤・転移に関わる分子をクローニングするためにyeast two-hybrid systemや蛍光標識二次元ディファレンス電気泳動法(2D-Difference Ge lElectrophoresis)を用いてADAM28の結合蛋白質及び新規基質の検索を開始した。その結果yeast two-hybr id systemによりADAM28結合蛋白質の候補としてvWF(von Willebrand factor)を見出した。また、proADAM28とvWFは結合するのみならず、活性型のADAM28はvWFを分解し、vWFマルチマーを低分子化するデータを得ている。これまでに、癌細胞をvWFノックアウトマウスの尾静脈内へ注入すると癌細胞の肺転移が促進することが報告さていることから(J.Thromb.Haemost.4:519-26,2006)、ADAM28による癌細胞表面でのvWF分解が転移促進に働く可能性があり、ADAM28の癌細胞浸潤転移機構についても研究を進めたいと考えている。

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